ニコンのD700は名機と言って良い逸品です。そこにはドラマがありました。
デジイチ、フルサイズ機の登場
1988年に富士フイルムが世界で初めてデジタルカメラを発表しました。
以来、デジタルカメラの発展は目覚ましく、2002年にキャノンより、フルサイズ機のEOS-1Dsが発売されましたが、約95万円という価格は、一般ユーザーには手の届かない高嶺の花でした。
続いて、キャノンは2005年9月にEOS 5Dというハイアマチュア向けフルサイズ機を投入します。価格は約38万円で、ここにフルサイズ機の一般ユーザー使用が幕を開けました。
ただし、当時ニコンはAPS-Cしか販売していませんでした。
※35mm・FX・DX
フィルムカメラの135フィルムは横幅が35mmありました。
ですから、CMOS撮影素子で約35mm有るものをフルサイズというようになりました。
ですが、2007年、ニコンにあっては、フルサイズの言い方を変えると宣言します。
フルサイズ(24×36mm)=FXフォーマット(23.9×36mm)
APS-Cサイズ(24mm×16mm)=DXフォーマット(23.5×15.7mm)
と言い換えたのです。
一説にはD700等のCMOSセンサーは、正確には24×36mmではなく、23.9×36mmであるため、フルサイズとは言わFXフォーマット、DXフォーマットといったと言われています。
※CMOSとCCD
CMOSの原理は1960年に考案されていましたが、技術的な問題から長らくCCDが主流でした。
2000年前後、CMOSは技術の発展により高性能化し一気に普及しました。
CMOSの利点として、省電力、安価製作、高速読み出し可能が挙げられます。
ニコン党の葛藤
フルサイズに興味はあってもニコンユーザーはフルサイズを手にとることはできませんでした。
なぜなら、当時、ニコンはデジタル一眼レフにフルサイズは不用と考えていたからです。(本当かは不明w)
「じゃ、キャノンに行けばいいじゃん」という声が聞こえてきそうですが、カメラ好きの方なら、分かりますよね。
そう、レンズ資産があるのです。
レンズ選びはカメラ本体と同等以上に重要な選択です。そう易々とは変えられません。
ですから、ニコン党のほとんどは、ニコンフルサイズ機の登場を待ちわびました。
キャノンのフルサイズを横目に。。。
ニコンのFXフォーマット登場
2007年11月30日にニコン初のFXフォーマット機としてニコンD3が発売されました。
待ちに待ったニコンのフルサイズ機です。
価格も約58万円とハイアマチュアにはギリギリ手が届きそうな絶妙なところでしたが、多くの一般ユーザーは、待ちの姿勢をとったと思います。
D3発売から約半年後の2008年7月25日、満を持してD700が発売されます。
ニコンユーザーは歓喜したと思います。(カネダラクも歓喜してとびつきましたw)
憧れのフルサイズが、待ちに待ったフルサイズが登場したのです。
ニコンD700は、ハイアマチュア向けのニコン初のミドルクラスフルサイズ機であり、ミドルクラス初のFXフォーマット機なのです。
そんな記念的D700が私は大好きです。
D700の評価(10年使用)
2009年6月20日にD700を購入しました。購入して10年使用しています。使っていて残念な点としては、ファインダー視野率95%。いくら三脚で入念に構図を決定しても、5%見えないのです。ですから、写真を現像すると意図しない物が映り込んでいることがあります。これはちょっと悲しいです。
その他は気にいっている点が多いです。
・映像エンジンがD3と同じEXPEEDであり、JPEGに関してはD3よりもノイズが少ないと言われている。
・D700は持っていて誇らしく思える。
・バッテリーの持ちが良い(予備はありますが、使ったことはありません。)
・飽きのこないデザインと10年間使用していてもヘタらない頑丈さ。
・高感度撮影に強い(D700作例の「増感のみで撮影」を見ていただくと分かります)
D700のオススメの設定
AF: | コンティニュアス+ダイナミックAFエリア |
AF: | 11点 |
レリーズモード: | CH(高速連射撮影) |
フォーカスロック: | AF-Lボタン |
AF-ON: | 半押しAFレンズ駆動OFF、AF-cモード時をフォーカス意外に。 (AF-ONでのみAFを動作させる設定 (親指AFと言う) ) |
※動体は最低でも2~3枚撮ることをお勧めします。
※ピンが取れない場合は、絞りましょう。
三脚使用のライブビューの使用方法
D700は、ライブビュー(画面を見ながらピント合わせができます。)
(1) | 左上ダイヤルをLvにセット |
(2) | あたり(ファインダー覗きながら、AF-ONボタン)を付けます |
(3) | シャッター全押しで、ライブビュー開始 |
(4) | +ボタンで拡大表示 |
(5) | AF-ONボタンでピント合わせ |
(6) | マニュアルフォーカスで厳密に →ピントOK→緑 ピントNO→赤 |
(7) | 全押しで撮影 |
(8) | menuで終了 |
※露出ディレイモード ONで、1秒後にシャッターが切れます。
D700のスペック表
撮像素子 | 36.0×23.9 mmサイズCMOSセンサー、ニコンFX フォーマット |
有効画素数 | 12.1メガピクセル |
RAW | 12ビット/14ビット |
測光方式 | TTL開放測光方式1005分割 |
ISO感度 | 200~6400 |
フォーカスエリア | 51点 |
記録媒体 | コンパクトフラッシュカード(Type I、UDMA対応) |
実撮影画角 | レンズ表記と同等の画角 |
レンズマウント | ニコンFマウント(AFカップリング、AF接点付) |
交換レンズ | 1)G/Dタイプレンズ(IXニッコールを除く):フル機能使用可能(PCマイクロニッコールを除く) 2)DXレンズ:撮像範囲DXフォーマット(24×16)でフル機能使用可能 3)G/Dタイプ以外のAFレンズ(F3AF用を除く):3D-RGBマルチパターン測光IIを除く機能使用可能 4)Pタイプレンズ:3D-RGBマルチパターン測光IIを除く機能使用可能 5)非CPUレンズ:露出モードA、Mで可能、開放F値がF5.6より明るい場合フォーカスエイド可能、 レンズ情報手動設定でRGBマルチパターン測光、絞り値表示など使用可能(非AIレンズは使用不可) |
連続撮影速度 | CH:約5コマ/秒 |
シャッタースピード | 1/8000~30秒 |
記録画素 | サイズL :4256×2832(FX)、2784×1848(DX) サイズM :3184×2120(FX)、2080×1384(DX) サイズS :2128×1416(FX)、1392×920 (DX) |
液晶モニター | 3型低温ポリシリコンTFT液晶、約92万ドット |
スピードライト | スピードライト SB-600(GN30,バウンスok) SB-700(GN28,バウンスok) SB-800(GN38,バウンスok) SB-900(GN34,バウンスok) SB-910(GN34,バウンスok)()はガイトナンバー |
電源 | Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL4a |
三脚ネジ穴 | 1/4(ISO 1222規格) |
大きさ | (W×H×D) 約147×123×77 mm |
質量 | 約995 g |
動作環境 | 温度:0~+40℃、湿度:85%以下(結露しないこと) |
発売年月日 | 2008年7月25日発売 |
外観:前
外観:後
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D700作例
AI AF Nikkor 35mm f/2D
NIKON AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G No flash 増感のみで撮影
NIKON Ai AF Nikkor 85mm f/1.4D IF No flash 増感のみで撮影
NIKON Ai AF DC-Nikkor 135mm f-2D + ニコンSB-600 バウンス + Capture NX-D使用
ミラーレスカメラの台頭
2018年上半期、レンズ交換式デジカメの国内出荷台数が逆転、ミラーレスカメラがトップにたちました。
フィルムカメラからデジタルカメラに進化したように、ミラーレスカメラへの移り代わりが顕著になってきました。
D700はまだまだ使うつもりですが、ニコンのミラーレスカメラZ7が気になるこのごろです。